2018年4月30日月曜日

バベルの塔はなぜ滅んだか 第4章 当時の歴史的背景


第4章 当時の歴史的背景



 旧約聖書ではノアの箱船の話は、創世記の6-9章に現れる。バベルの塔の話は、11章なので、人々の心にはまだ洪水の記憶が鮮明だったのではないだろうか。(もちろん、ノアの大洪水のようなことがあったかどうかは確認しようがないが)

 いろいろなことを考えなくてはいけない。というか、いくつか設定する必要があろう。

 まずノアの洪水が本当にあったのかどうか。
 すごく昔の話である。小生には断言できないが、私なりにこのような天変地異があったのではないかと思っている。
 また、ノアの以前とか、バベルの塔のころ、ひょっとしたら、人類はすごい高い文明を持っていたのかもしれない。その可能性もあるだろう。
 たとえば、今、大規模な核戦争が起こったら、人類のほとんどが死に絶える。しかし、少数の者が生き残ったら、自分らの築いた文明を語り継ぐだろう。しかし、きっとあまりにも散り散りの少数になってうので、今の文明を再現することはできないだろう。「スマホって楽しかったよなあ」とか思っても、かなりインフラや工場がしっかりしていないと、スマホも自動車も飛行機も作り出せないだろう。

 あと、ノアの洪水はなぜ起きたのだろう。
 聖書によれば、神々はノアの洪水の後、「人類を罰するためにこのような洪水を起こして人類を滅亡させたが、二度とこのような洪水を起こさない、と人間たちの前で誓ったという。

 現代に勝るとも劣らない高い文明があったとすると、全地球規模で津波を起こさせるような大量破壊兵器を神々、というか、当時の支配者が持っていたのかもしれない。

 あるいは、偶然に起こった、何万年に一度のような天変地異を支配者が「我々が引き起こした」と言って、土民たちを畏怖せしめたのかもしれない。
 まあ高い文明やすごい兵器を持っていたかどうかは、私には追求する手段を持っていないしここでは深く追求しなくても良いであろう。
 どちらにしても神々は、そのような恐ろしい話をして土民たちを従わせる・・・これも支配者の常套手段であろう。

 さて、彼らは一つの言葉を使っていたというが、それは何語であったのであろうか。
 おそらくそれは当時の状況を考えると、古代ヘブライ語、あるいはシュメール語であったと思われる。
 シュメール人は今の文明の祖を築いたもの。世界史の教科書でちょっとだけ触れられている。ヒッタイトとかヘス族とか呼ばれていて鉄を持っていたと1-2行書かれてあったのを覚えているだろうか。実際に謎の文明である。
 周辺や基礎になるものが何もなく、突然高度な文明がこの辺に出現したのである。この言葉を話していたのかもしれないと小生は考えている。


 バベルの塔を作るために人々はどこから集まったのか。
 バベルの塔は今のイラクのバクダッドの近くのバビロンの周辺にあったと思われている。実際、あの辺には大きな建物の廃墟がたくさんあるのである。 
 さて、どこからバビロンに集まったのであろうか。世界中というが、その当時の世界が地球全体なのか、アジアや南アメリカの果てからも集まったのか、あるいは、バビロン近傍なのかは分からない。とにかく遥か昔の神話時代の話であるから。

 しかし、人間というもの離れたところで暮らして、ある一定の時間、というか百年くらいもも経つとかなり違った言語を話すようになるものである。日本国内の方言をみてもよく分かるであろう。

 集まった人は、「母国語」というかそのようなものを持っていて、かつ、当時の共通語である古代ヘブライ語とかシュメール語を話していたのである。
 神々はその共通語を乱したのであろう。そう考えるとすっきりとするだろう。

 この章をまとめる。
 とにかく遥か遠い昔の神話時代の話。
 当時の文明のレベルがいかほどか、とも分からない。ひょっとしたら、今よりもはるかに高い文明を持っていたかもしれない。
 旧約聖書の話は、この世の誕生、ビッグバンから地球の創生をへて、そして紀元前3000年ころまでのお話。きっと人類も何度か勃興したり滅んだりしているのかもしれない。
 だからバビルの塔の建設のためにどこから人々が集まったのかも判然としない。アジア、南アメリカまで含めた世界全土か、イラクの周辺だけなのか。 しかし、きっと人々は、自分の母国語のほかに共通語を用いて、他の種族、民族とコミュニケーションをとっていたのであろうと推測する。
 そして、神々、というか、当時の支配者は、バベルの塔の建設を中断させるため、人々を散り散りにするために、その共通語を乱したのであろう。

 では次の章では当時のヒトの寿命について語ろう。



目次
序章  バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 

第1章 神とは?

第2章 神は何を恐れたのか?

第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉

第4章 当時の歴史的背景

第5章 当時の寿命

2018年4月28日土曜日

第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉


第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉

 神々は人間どもを恐れたわけであるが、具体的に人間たちのどのようなことに恐れたのであろうか。旧約聖書からその箇所を引用してみよう。

・・・主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」・・・



ギュスターヴ・ドレ『言語の混乱』

ポール・ギュスターヴ・ドレPaul Gustave Doré, 1832年1月6日1883年1月23日)は、フランスイラストレーター画家版画家、挿絵画家、彫刻家)。 アルザス地方ストラスブールのニュエ・ブルー(青い雲)通りに生まれ、パリの聖ドミニク通りで没しペール・ラシェーズ墓地に埋葬された。
15歳の時から画家として活躍した。その後パリに移り、挿絵画家としてダンテバルザックフランソワ・ラブレーミルトンの挿絵を手がけた。



 神は、バベルの塔を築く大工事をする人間たちを恐れたようだ。それは人間たちの行いの始まりで、この後、どんどんいろいろなことを始めるのではないか、と思ったようだ。例えば、科学技術の進歩、そして、新兵器の開発、など。すると自分らの地位が脅かされるではないか。

 このような行いを辞めさせるために神々は何をしたのか。

 現代の多くの人は次のように理解していると思う。すなわち、神が人間どもが不遜にもバベルの塔を作るのにお怒りになり、得意の雷(いかづち)をブッ放してバベルの塔を破壊、そして人々は驚きの余り、自分たちの今までの言葉を忘れて四分五裂の散り散りになり、種族、民族によっていろいろな言葉を話すようになった、と。なんとも不思議な話だなあ、と。

 しかし、それは違う。

 旧約聖書では、彼らはバベルの塔をぶち壊してはいない。

・・・我々(神々)は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように・・・・

 神々は、あくまでも、人々の言葉だけを乱されたようだ。
 
 何も、バベルの塔を壊して多くの人々を殺戮したわけではない。

 神々は支配者なのである。彼らは人間たちの生産するものを搾取して生活しているのである。人間たちがいなくなったら生産する人がいなくなる、そうなると元も子もない。

 神々は、人間たちの言葉だけを乱されたようだ。そして工事を辞めさせた。

 神々は明らかに人間の言葉を恐れたようである。
 
 何故か

 言葉は力なのである。言葉こそ知恵の源泉なのである。
 言葉に優れたものが、より力を持つのである。
 言葉こそ人間の最大の武器なのである。
 考えてみるとまさしくそうであろう。

 神々はただただ大きなバベルの塔を恐れたのでもない。
 そこにある科学技術を恐れたのでもない。
 
 それらを生み出すものが言葉なのである。

 そしていつの間にか土民どもが自分らより上手に言葉を操り、自分らより知恵をつけ始め、自分らより力を持ち始めたことを恐れたのである。
 
そこで言葉を乱すことにしたのであろう。

 さて、神々はどのようにして言葉を乱したのか。それは、次々章で語ろう。

 次章では、当時の歴史的背景、また、彼らがどのような言葉を使っていたのかを私なりの解釈を加えて語るものとする。




タロットカード『塔』

タロットカードで最も悪い札とされる「XVI 塔」は、同じ「塔」という人工建造物、塔が破壊されるという扱い、塔から落ちる人間(人間の驕りに対する天罰という解釈)から、このバベルの塔がモチーフになっているといわれているが、創世記には主が塔を破壊するという記述はない


目次
序章  バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 

第1章 神とは?

第2章 神は何を恐れたのか?

第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉

第4章 当時の歴史的背景


第5章 当時の寿命

第6章 神々はどのようにして人々の言葉を乱したのか

2018年4月26日木曜日

第2章 神は何を恐れたのか?


第2章 神は何を恐れたのか?

 神々はバベルの塔を築く人間たちに対して恐れを抱いたようである。
 ところで神々ともあろう者がか弱き人間ごときに何を恐れたのであろうか。
 なんでもできる「全能の神々」と思うと全てが分からなくなる。しかし、第1章で述べたように、神々を人間どもの支配者、つまり同じ人間だ、とすると何を恐れたかがよく分かるのではないだろうか。

 つまり、自分らが支配する人間ども、土民たちが、自分らより賢くなることを恐れたのである。土民らが賢くなると自分らが彼らに逆に支配されてしまうかもしれない。神々をこれを恐れたのである。


ロゼッタストーン


目次
序章  バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 

第1章 神とは?

第2章 神は何を恐れたのか?

第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉

バベルの塔はなぜ滅びたのか 第1章 神とは?




 第1章 神とは?
 
 私は最近、この「神」「神々」とは何か、と言うことについて思い当たることがあったので、記してみたい。

 結論から言うと、「神」「神々」とは、その当時の「支配者」であったと思う。支配者であるから、もちろん人間であり、天の上に住んでいるわけでもなく、四次元、5次元空間に住んでいるわけではない。我々と同じ3次元空間に住んでいるのである。

 世界に神話は数々ある。旧約聖書もそうだし、日本における古事記、あるいは、ヨーロッパのギリシア神話など。いろいろな神が登場して活躍する。あるいは、途轍もなくバカをやり、他の神々のみならず地上の人間たちに大きな迷惑をかけることもある。
 まず、私はここでは、我々日本人にとって身近な古事記を例に出し、考えてみる。


世界を作る イザナギノミコトとイザナミノミコト




 古事記は日本創世の神話である。たくさんの神々が登場して、黄泉の国に行ったとか、太陽の神が洞窟に隠れてこの世がまっ暗になって皆、大変困った、など荒唐無稽な話しも多い。

 彼らは人間離れした能力を持つ神であるが、彼らの行動は支配者のそれであると考えて古事記を読むとあの話しはけっこう辻褄が合うように思う。
 草薙剣(くさなぎ の つるぎ)での野原を瞬間的に焼き払い、敵を一気に焼き討ちにしたとか、八つの首を持つおどろおどろしいヤマタノオロチを成敗したりしている。
 これは政ろわぬ者(まつろわぬ者)つまり自分たちの政治に従わないものを成敗した、ということであろう。


八岐大蛇


 今の熊本県の近くでは「土蜘蛛」という種族があり、これを殲滅した、と書かれている。「土蜘蛛」という種族、となると土の中に住む蜘蛛人間であるかのように禍々しい印象を与えるが、きっと人間である。その地域の部族を滅ぼした、ということなのだろう。古事記では、禍々しい姿をした怪物みたいなものを討ち取ったかのごとく書いてあるが、ただ、異民族を討った、と言うことなら、世界中でどこででも起こっていることであるので分かりやすい。

 旧約聖書、ギリシア神話にも多数見られる。例えばギリシア神話では、迷宮にいる髪の毛が蛇の恐ろしい姿をしたメンドゥーサーを倒した話、など。これも自分たちに従わない者を征伐した話であろうと思う。

 傑作なのは、支配者階層の神々はけっこう人間界の女性と仲良しになったりするのである。
 宮崎県を旅行したことがあるが、宮崎県は神々の故郷である。アマの磐船に乗って神武天皇ら一行が高千穂の峰(宮崎県)に降り立ったとされている。そしてまずは宮崎県を拠点に活動をしていたと思われるが、それ故、宮崎県内にはそのような神話時代の神社がたくさんある。そしてそこに神々と人間お娘が仲良しになったというゆかりの神社も多数見た。
 これも神々を支配者層と考えると、支配者がその領域の女性を娶る、というのは古今東西を問わずよくみられる話である。

 古事記の神々も出雲の国の制圧には手を焼いたようだ。
 古事記では、「国譲り」という形になっている。
 つまり出雲国の主であった大国主の命が自分の国を譲ったのである。そのあと、大国主の命は「根の国」に行ったそうだ。そのあと、出雲に大きな出雲大社という神殿を建てたという。
 おそらく、出雲国は手強かったのであろう。占領しても住民の頑強な抵抗が予想された。支配しても住民が言うことを聞かず自分たちのために働いてくれなければ、富を得られないのである。

 この話 簡単に言うと、やはり出雲国は戦いに敗れ、その大将であった大国主命は殺されたのであろう。しかし、そのままでは住民の抵抗が予想されたので、「国譲り」の話をでっち上げて、大国主は根の国に自発的に行ったこととして、そして、彼を讃えるために大きな神殿 出雲大社を作ったのであろう。


草薙の剣


 こう考えると大きなところでスッキリとするのではないかな。

 神話の神々は当時の支配者で、支配者の軍勢が、異民族や他の種族を平伏、あるいは殲滅して自分たちの領土を拡大してきた歴史。
 その話は、自分たちこそが正義であるような勧善懲悪物が主となるし、そうして、自分たちの圧倒的な力と、大いなる徳、慈悲を語るのである。時として、話を面白くするためにホラ話も混ぜる。草薙剣が火と風を起こし、敵の群を草薙剣を地面に立てるや否や敵が滅びた、とか、恐ろしい人喰い龍である八岐の大蛇の話とか。ギリシア神話の髪が蛇であり、見たらその瞬間、見た人が石になってしまうメンドゥーサーの話とか 等等。
 
 さて、本題のバベルの塔の話でも、神々とは当時の世界の、あるいはこの地域の支配者であったのであろう。
 彼らはバベルの塔を建造する人間たちに恐れを抱いたのである。

 神々ともあろう人たちが何を恐れたのか。それは第2章で語ろう。

出雲大社


目次
序章  バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 

第1章 神とは?

第2章 神は何を恐れたのか?

第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉

第4章 当時の歴史的背景


第5章 当時の寿命

第6章 神々はどのようにして人々の言葉を乱したのか

2018年4月25日水曜日

バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 序章

バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 序章


バベルの塔の物語は旧約聖書の「創世記」11章にあらわれる。そこで以下のようなことが語られている。当時ノアの物語のあとの話であのノアの大洪水からだいぶ経ってはいるが人々の心の中にはその傷跡が生々しく残っていたと考えられる。人々は再び大洪水が来るのを恐れ、洪水が来ても大丈夫なような街造りを目指しバベルの塔と都市を建設しようとしたと聖書には書かれている。

旧約聖書の記述は以下
「全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアルの地の平原に至り、そこに住みついた。そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。

 主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。

 主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。」
(旧約聖書では「混乱」を意味するとの神話解釈が与えられている)




 非常に謎めいた話である。
 実際によく分からない話である。
 一体、人々の言葉を乱すことなどできるのであろうか。

 神々は我々の知らぬ天の上、四次元空間か5次元空間にお住まいになっていて、我々無能な人間どもを正しい方向に影から導き、時に、ならず者にバチ(罰)を与えるような存在と思われている。時に、宇宙人ではないか、という人もいる。
 このようなすごい人たちだから、我々の言葉を乱すことなど、呪文を唱えるか、光線銃みたいなものを一発打つかすればすぐに出来ることで、我々を狼狽させることなど朝飯前のような人たちかもしれない。

 まあ、そうすると何もかもが解決するわけであるが、実は何も分からない。

 神、また、このバベルの神話について私なりの解釈を加え紐解いていこうと思う。



目次
序章  バベルの塔で何が起こったのか?  ・・・人間の言葉と神々の恐れること 

第1章 神とは?

第2章 神は何を恐れたのか?

第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉

第4章 当時の歴史的背景


第5章 当時の寿命

第6章 神々はどのようにして人々の言葉を乱したのか


この人を獲ると国が捕れる 日本を捕れる

要人の弱みを握れ! 一国の宰相と言えども,金,女,身内のヘマ,等々,いろいろな弱みがある. その弱みを握る事が出来れば,容易に国を操る事ができる.    故に,国会や総理官邸などのセキュリティーは厳しく,なかなか隠しカメラやマイク等を設置できないであろう. さて...